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1-1 聖地からの使者
世界は、巨大な一つの大陸と、聖地と呼ばれる大きな島からなる。周囲は海で囲まれ、ところどころに小さな島嶼が浮かぶ他、海の向こうがどうなっているのか、誰も知らない。
その世界の平和は陰陽の調和によってもたらされる。調和は、世界の中心、天柱とも言われる聖地の霊峰プルミンテルンを頂点とし、聖地から離れるごとに失われていく、とされる。聖地から遠い辺境では陰陽の和が乱れ、その歪から〈混沌の闇〉が発生する。〈混沌〉から世界を守るのは、陰陽の調和である。太陽と月(太陰)、天と地、昼と夜、東と西、男と女―――すべてが対立し、共存し、交じり合い、そこに調和が生まれる。
聖地には陰陽の調和を説く、〈禁苑〉という教団の本部が置かれ、世界に根を下ろしている。大陸の東は太陽を信奉し、男の皇帝を戴く帝国が支配する。そして大陸の中央を南北に流れる大河ドーレを境として、西は月を信奉し、女王を戴く女王国。聖地と東西陰陽の二大国によって、世界は均衡を保っていた。
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