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「ココはいつも四位か五位なのに……珍しいですよね」
遥が言うのを聞いて、小手指がいのりに疑るような目を向けた。
「玉倉さん、あなた借金とかしてココにつぎ込んだんじゃないでしょうね」
「し……してません! ちゃんと自分のお給料から課金しました!」
来月の生活費がちょっと心配ですけど、というのは言わないでおいた。
「ココは前回のイベントシナリオがユーザーから評判でしたから、その影響もあるんじゃないでしょうか」
榛名が言った。アプリ内で毎月行うイベントも、好きなキャラのストーリーを選択して進めることができる。ストーリーがよければ、今回のようにキャラの人気も上がる。人気が上がれば売り上げも上がる。人気のあるキャラクターはそのゲームの売り上げを左右するキーパーソンというわけだ。
「それにしても、やっぱり龍は強いですね。いつも一位だし」
いのりが言うと、鵠沼が「当然でしょ」と返してきた。
「龍は榛名くんがシナリオ書いてるからね」
龍のシナリオは、毎月のイベントのものだけでなく、アプリ内に常設されているメインストーリーでも、榛名が執筆を担当している。
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