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佑奈は、良夫が売れない役者をやっていた時から、舞台を観に行っていたファンの一人だったと言う。
突然の劇団解散で、良夫に会うことができなくなった。いつか、再会できると願い淡い期待を抱き、父親のコネを使って芸能界の敷居を跨いだのだ。
ところが、いつまでたっても再会する事ができなかった。それはおろか、風の噂で良夫が芸能界を引退してしまった事を知った。
落ち込む佑奈。
そんな佑奈は、ひょんな事から良夫の今の仕事を知った。
友人が、レンタル彼氏として、良夫を雇ったのだ。
佑奈は「何でも屋」の存在を知る。
考えに考え、幸代に依頼したのだ。
「良夫さんと出会うために、協力してください」
インタビュアーとして、仕事をしている佑奈の元へ、幸代が良夫を連れて行ったのだ。
「……嘘だろ?」
「本当です! 信じて」
「良夫、本当なのよ」
「何度も佑奈さん、ここへ来てるんだよ。良夫兄さん、気づかなかったでしょ?」
真琴までが知ってたなんて、良夫は夢にも思わなかった。
あまりのショックに、力の抜けた良夫は、ソファーにぐったりともたれた。
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