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ちなみに、毎度のように僕が暇をしていて、この探偵事務所は大丈夫なのかと心配している人はいるのだろうか。
売り上げがなくて経営難に陥るのではないかと。
その点に関して一応補足しておくと、僕が語っていないだけで、実は頻繁に依頼は来ているのだ。
千鶴さんがあっさりと解決する案件が多く、僕の出る幕がない探偵業は結構ある。
だから、潤沢とまでは言えないが、少なくとも経営の危機には瀕していない。
僕が語るのは比較的長引いたものか、僕が大活躍したものか、千鶴さんの愛くるしさが極まるものだと思ってもらえると話は早い。
さて、こんなふうにくだらないことを考えていれば、やがて千鶴さんからお声がかかるはずだ。
ようやく冬の終わりが見えて、最近の千鶴さんは元気がいい。
「蓮くん、ちょっといいかな」
おっと、今回はいつもとちょっと違うぞ。
千鶴さんのお呼びであれば、どんな作業でも中断してすぐに駆け付けますとも。
「なんでしょう」
「こっち来て」
千鶴さんは難しい顔をしてパソコンと向かい合っている。
こっち来ての言い方が少しぶっきらぼうだったのは、おそらくパソコンの操作で苦戦しているからだろう。
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