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「さて、それじゃあ、お待ちかねのゲームの時間といこうか」
いよっ、待ってました……と言いたいところだが、僕はさっきの探偵喫茶に心を奪われ気味だったので、反応がやや鈍ってしまった。
千鶴さんはこういうところを抜け目なく拾ってくるというのに。
「あれ? あんまり乗り気じゃない?」
「いえいえ、そんなわけないじゃないですか。今日は何をするんですか。最近勝ててないんで、勝てそうなのがいいですね」
いや、いつも勝てそうではあるのだ。
今までのものだって、別に僕に不利なゲームだったことはない。
千鶴さんがそのあたりの公平さを欠く人ではないことはわかっているが、ついそんなことを言ってしまった。
「今日はどうかな? ひらめきが勝敗を占うってところかな」
「ひらめき、ですか。なんだか早くも分が悪い気がしてきましたけど」
「犯人当てゲームって言ってわかる?」
名前がついているゲームを出してくるのは珍しい。
いたってシンプルな名前で、なんとなくわかるような気がするが、その名前に覚えはない。
「いや、ちょっとわからないですね」
「私も正式名は知らないんだ。だからルールを言えばわかるかもしれない」
確かに、小学生や中学生のころに流行った遊びとかは、地域とか世代によって名称がコロコロ変わるものだ。
僕も同じようなゲームをやったことがあるかもしれない。
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