第4話 縁結びの神様

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 家電は同じ用途のものでも機能次第で値段の幅がとんでもなく広くなるから、大半のものは一万円を超えるものもある。  だから、安いものなら数千円でおさまる、というのは何気に大きな情報だ。  少なくとも、マッサージチェアとかそういうものではなくなった。  しかし未だに絞り込めない。  さっきは二つの質問で当てられちゃったから、そろそろ答えに近づきたいのに。  下手に答えてお手つきもしたくないし。難しいぞ、お題の設定を誤ったか。 「どうするの? 答えは決まった?」  かわいい。じゃなくて、次の動きを決めないと。  今の千鶴さんの笑顔は「まだわからないでしょ」と言っている顔だった。  よって、ここでの回答はパスだ。 「いえ、次の質問にいかせてください」 「慎重だねぇ」  まるで子ども扱いされてるようだが、両の手を頬にあててニコニコとこっちを見ているその顔は、いつ見ても癒される。  どうして芸能界から声がかからないのだろう。 「えっと、それは、飲食にかかわるものですか」 「おっ! うん、かかわる」  少し踏み込んだ質問をしてみたが、どうやら当たりだったようだ。  しかし千鶴さんはどうしてそんなに嬉しそうなんだ。まるで僕に早く当ててほしいみたいだ。  それはともかく、これでようやく調理家電というところまで絞り込めた。
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