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「そうなんだよね。キリンって英語で言えない動物の代表って感じがするし」
「いや、それにしても、参りました。もう、完敗ですよ。っていうか、すごすぎます」
「えへへー。探偵として、負けるわけにはいかないからね」
やっぱりこの勝負は最初から僕に勝ち目はなかったんじゃないだろうか。
ちょっとでも勝機はあると思ってしまった僕が甘かった。
「今回はどうしますか。僕は何をしたらいいですか」
「うーん、どうしよう。ちょっと待って。考えておく」
「わかりました。もうなんか、負け慣れちゃってきましたね」
いや、もう、ホントに。
どんな命令をされても構わないけど、そろそろ勝ちたいなぁ。
こうも負け続きだと、勝負をする意味が薄れてくるようにも思える。
さて、ゲームも終わったし、そろそろ探偵業の依頼が来るのかな。
いつも狙いすましたかのように、ゲームが終わった直後にお客さんが来るものだから、僕はすっかりその気になって入り口付近を眺めていた。
「蓮くん、どうしたの? 誰か来てるの?」
おかしいな。いつもならそろそろお客さんが来てもいいのに。
千鶴さんがそうやって聞くってことは、ゲームのあとにお客さんが来る傾向に気づいていないということなのだろうか。
もしくは、そんな因果関係があるわけないと思っているのか。
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