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「はい。端的に申しますと、探し物をしてほしいのです」
「探し物、ですか。それは、紛失したものを探すのですか。それとも、隠されているものを見つけ出すのですか」
「えっと、後者、だと思います」
僕は前者のことしか考えていなかったが、そういうこともあるのか。
しかしなんだか歯切れが悪い。
「思います、というのは……」
当然のように千鶴さんも疑問を口にする。
これには吉井さんが答えた。
「このようなものが、本殿の中から見つかったんです」
吉井さんが見せてくれたのは、折り目がたくさんついた一枚の紙切れだった。
色あせて端が少し破れている。紙切れという表現が最適だと思った。
「これは、この神社の地図ですか」
「そうです。ただ、現在のものとは少し違います」
「このバツ印はなんですか」
「そこには物置として使用している倉があります。ただ、その場所には特に変わったものはなく、我々が把握しているものしかありませんでした」
「この意味深な文はなんでしょう」
「それの意味するところが、私共にはわからないのです。ただ、その言葉の意味が分かれば、バツ印についても何かわかるんじゃないかと……」
つまりは宝探しということなのだろうか。
探し物は神社の備品というか、この神社が所有する何かなのだろうけど、それが何なのかもわからないし、どこにあるかもわからない。
そもそも、存在するかどうかもわからない。そんな感じか。
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