第4話 縁結びの神様

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「それでは、この暗号のようなものを解読して、バツ印の意味や、隠されているかもしれないなにかを探したい、ということですね」  千鶴さんが端的に依頼の内容をまとめる。  抑揚のない話し方で、千鶴さんの心境が読み取れない。 「そうですね、そういうことです」 「このことは、神主さんにはお伝えしているのですか」 「いいえ……。まだ話していません」 「今はいらっしゃらないのですか」 「はい。今は氏子(うじこ)の方にお会いするため、外出中です」  電話口で渡会さんが声を潜め、急いでいたように思えたのは、そういうことか。  神主さんがいない間に探偵に宝探しを依頼した、という。 「では、神主さんが戻られる前に、この探し物をしてほしい、ということですか」 「そうなります……」  なんていうか、話が早い。  千鶴さんは状況を正確に理解したようで、渡会さんは胸をなでおろすような仕草を見せた。  吉井さんは表情を変えずに落ち着いている。 「わかりました。依頼は引き受けたいと思いますが、しかしこれは私の専門とは少し違いますので、ご期待に添えるかどうかの保証はできません。それでもよろしいですか」
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