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「荒川先輩!」
名前を呼ばれて振り返れば、
そこにいたのは後輩の女。
んー、この子誰だっけか。
「なに?」
俺、
荒川 蓮。
高校2年。
中学の時はヤンチャ
してたけど、
なんとか高校行けました。
危なかったけど。
俺を呼んだ女の子は
モジモジしながら
俺の方を見上げた。
「あの、今、彼女さん
いないんですよね?」
「いねーけど。」
つい最近別れたから。
俺が見下ろしてると、
女の子は真っ赤な顔で
口を開いた。
「えと、わたし、
1年のアマミヤです。
荒川先輩のこと、
ずっと前から気になってて
それで、別れたって聞いて、
わた、し・・・・・」
思い詰めたような、
アマミヤさん。
俺は何も言わずに
アマミヤさんを見つめる。
アマミヤさんは意を
決したように、
バッと顔をあげた。
「今しかないって
思ったんですっ、
好きです、
付き合ってくださいっ。」
ペコッと頭を下げてきた
アマミヤさんを、
俺は静かに見つめた。
うん。
「ごめんね、
今はそういう気持ちに
なれないから。」
俺ははっきり断って
その場を後にした。
今は、
っていうか、
なんだろな、
なんか引っ掛かってんの、
ずっと。
これは、
俺の方程式の話。
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