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「荒川ー、
今日、帰りどっか
よらねー??」
教室に戻ったら
ダチに声をかけられた。
あー・・・・
「や、今日は用あるわ。」
今作った用だけどな。
俺は大あくびをしながら
頭をバリバリ。
久しぶりに、
中学校に行くか。
************
「え、嘘、荒川!!?
ほんとにほんとに荒川!?」
卒業ぶりに母校に行ったら
花井先生に糞驚かれた。
うっわー、
なんか昔の自分を
知ってる人に会うの
ってはずいんですけど。
「荒川だけど。
んだよ、そんなに違うか。」
俺がぶっきらぼうに
言い返すと、花井は、
「いや、その敬語を
使えないところは
荒川くんだ!!!
見た目が落ち着いてたから
ビックリした!!」
と言ってバシバシ背中を
叩いてきた。
別に花井なら敬語
使ってもいいかなって
思うけど、
昔敬語使ってなかった
相手に今さら敬語使うの
ってすげー恥ずかしい。
ちなみに国語の小林には
未だに死んでも使いたくねぇ。
「暇だから来てみた。」
俺がふてぶてしく言うと、
花井はニッコリ。
「よくきたね、
卒業生がこうやって
しっかり高校生やってるの
見ると嬉しいよ!
ちゃんと授業出てるの?」
「出てる、一応。」
内容を理解できてるかは
別にして。
俺の短い返事にも花井は
嬉しそうにウンウンと
頷いてて、
花井も今思えばすげー
いい先生だったよな。
ぜっっったい本人には
言えねぇけど。
恥ずかしくて。
昔好き放題してたくせに、
今さら素直になるのは
ハードルたけぇ。
「あのさ、花井に
聞きたいことあるんだけど。」
俺が声をかけると、
花井は昔みたいに、
「花井“先生”ね!!!」
と言い返してきた。
わーってるよ、
わかってるけど、
さ。
俺は思わず笑った。
なんか恥ずかしいんだって。
花井もこれ以上は
咎めてこなくて、
「なあに?」
と訊いてきた。
俺が、
久しぶりに出身中学に
来た理由。
それは。
「なあ、
日渡先生って、
どこの高校で今
働いてるわけ?」
これが訊きたいから。
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