ポッキーの日!!

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チッ、チッ、チッ 時計の針が、 22時50分を指す。 「ったく、 いつまで飲んでんのよ、」 あたし、松原環奈は、 同棲している 山口 旭日の帰りが 遅くてちょっとイライラ。 クッションを抱いて、 テレビをプチンと消した。 「あー、もう 連絡してよ、 こう言う時は・・・」 社会人になって、 旭日と同棲を始めた。 旭日は留学から 帰ってきて英語がかなり 堪能になってて、 その語学力を生かして 商社に就職。 一方のあたしは、 損保会社に就職した。 で、 あたしは今、 家で会社の飲み会に 出てる旭日の帰りを 待ってるってわけ。 「帰ってきたら ちゃんと言っとかなきゃ、」 ほんと、連絡なく 待たされる身になって みなさいよ。 あーもう、先に寝ようか。 ――――――――ガチャ、 「!」 今、扉開ける音した? 「旭日、」 トトトッと玄関に向かうと、 少し顔を赤くした、 スーツ姿の旭日が。 ・・・ようやく帰ってきた。 「旭日、」 「あ、環奈~、 起きて待ってたのっ?」 こう言って、 ニコッと笑う旭日。 なっ、 「待ってなんか、 きゃ!?ちょっと旭日!」 いきなり旭日はあたしの 頭をグシャグシャに 撫でてきて。 ちょ、何すんのよ!!! 「旭日っ、」 「かっわいいじゃん、 犬みたいに良い子で 待ってたなんて。」 犬!!? 「ちょっとあんた 酔ってんの!!? 離れなさいよ!!」 あたしがキーキー騒ぐと、 旭日は相変わらず ニコニコしたままで、 靴を脱いでクイッと ネクタイを緩めた。 そして、部屋に入りながら こちらを横目でチラリと 見下ろす。 「かーーんな、 今日何の日か分かる?」 今日?? あたしは旭日のスーツの ジャケットを受け取りながら 顔をしかめた。
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