男に夢見てんじゃねーよ

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「そーだった、 雅はこういう話 免疫ないもんねー!」 みんなはどんどん 話を進めていって、 わたしははにかむだけ。 ちょーっと諸事情で こういう話には参加 できないの。 いや、本当はすっごく 参加したいんだけどね!? すると、 わたしに話題が。 「ねー、雅は気になる 人とかいないのぉー? うちの学年けっこう 良い感じの男子多くない?」 「へっ、わたしっ!?」 わたしは目をパチクリ させて回りを見る。 すると、またしても 他の子が回答! 「なーにいってんのっ! 雅は決まってんじゃんっ、 雅には早か、」 「ちがーーーう!! “あいつ”は関係ないのっ!」 ぜーぜーはーはー。 思わず熱くなっちゃって、 回りの子はポカーン。 だけどすぐに会話再開。 「そーやって必死になる ところがあっやしーっ。」 「ほんとほんとっ。 ていうかいいじゃんっ、 うちの学年で一番の イケメンだよっ!?」 「授業中だけ眼鏡 かけてるのがたまらんっ。」 「ちょっと厚めの 唇がセクシーだよね! ていうかなんか妙な 色気あるよね!(笑)」 「あのニヒルな笑みが めっちゃかっこいいっ。」 「飄々としてるくせに、 平気で馬鹿してるのが いいわーっ。」 “アイツ”は、 なぜだか女子にとっても 人気があって。 そんな“アイツ”と わたしはなぜだか バッチリ噂が立ってます。 みんなはわたしの方に 詰め寄った。 「ほんとは 好きなんでしょ? はやか、」 「みーやびー!」 助かった!! 教室の扉のところには わたしの親友の、 松原 環奈が。 (まつばら かんな) 「かんなーっ!」 わたしは環奈のもとに 駆け寄ると、みんなの 方をクルリッ。 みんなはやっぱり ポカーン。 「とにかくっ、 そういうのじゃ ないからっ! むしろえっと、 とにかく違うのっ! みんなバイバイ!」 わたしは環奈の腕を 取ると逃げるように 教室を出た。 もー、毎回毎回! 隣では環奈が呆れたように こっちを見てる。 わたしは口を尖らせて 頭をかいた。 「もーー、 みんな“アイツ”のこと よく知らないから!」 “アイツ”。 それは、 同じクラスで、 幼馴染みの、 あいつ。
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