男に夢見てんじゃねーよ

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――――――――― ―――――――――――― 「ただいまー、 おかえりー。」   家に帰ってきました。 ただいまって言って、 自分でおかえりって いっちゃうのが、 わたしのいつもの挨拶。 ローファーを脱いで、 靴下を脱ぎながら 洗面所に向かって、 靴下を洗濯カゴに ポーイ。 手を洗うとそのまま リビングに直行して、 誰もいないのを 良いことに、 何かを隠すとかそんなの 一切気にせずに堂々と お着替えをしますっ。 「あついなー、 あっそうだっ、 アイス食べよっと。」 わたしは超適当な Tシャツと短パンに 着替えると、 独り言駄々漏れ状態で 冷蔵庫を物色。 ここまでくると なんとなーーーく わかる人もいるかも だけど、 今この家にはわたし以外 だーれもいません。 うちの両親共働きで いっつも帰りが遅いんだ。 一人だと独り言 多くなるよね。 「ラッキー、 アイスモナカあるー♪」 わたしはむしゃむしゃ アイスモナカを食べて、 そのままソファへダイブ。 扇風機のスイッチもオン! 本当はクーラーつけたい ところだけど、 先月クーラーずっと 使ってたら電気代が 跳ね上がって、ママに 注意されたからね、 我慢我慢。 「はー・・・・ 極楽~。」 学校が終わってからの このつかの間の開放感、 たまらんのだっ。 わたしはソファの上で くてーーっと脱力して、 なんか眠いなぁなんて 大あくびをする。 どーしようかな、 ちょっと寝ようかな、 でも“アイツ”来るしなぁ。 んー、 “アイツ”が来る前に 起きたらいっか。 てことで、 おやすみなさーい。 こういう流れは、 大概起きれない パターンです、 みなさん、覚えて おきましょう。 ――――――――――――― ―――――――――― ――――――― 「・・・・きろ、」  微かに、声がする。 あれ、今何時? 「ふ、うんっ・・・・」 寝返りを打つと、 ギシッと、 何かが覆い被さって 来たのがわかった。 「へ、」 その瞬間、覚醒して。 目を開けると、 目の前にはニヤリと 笑う“アイツ”が。 「起きないと 襲いますよーー、 雅チャン。」 不敵に笑う、大魔人。
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