男に夢見てんじゃねーよ

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わたしはスープの具材を バクッと口に入れながら、 暁くんをジロリ。 そして『今から超重要な 話しますよ』感をムンムン させて口を開いた。 「今日、みんなと 恋ばなしたの。」 「へー、誰か俺のこと 好きとか言ってくれた?」 「へ?え、 それはなかったけど、」 「じゃあその話キョーミ ないからしゅーりょー。」 「いやいやいやいや!! ダメダメっ、話 聞いてよっ!!!」 わたしが慌てると、 暁くんはフフンと 偉そうに笑う。 もーーーっ、 暁くんと話すのって なんか大変! わたしは軽くテーブルを ドンッと叩いた。 「今は暁くんのことは どーでもいいのっ! ねえっ、 わたしぜんっっぜん恋ばな 参加できないんだけど!」 わたしが恋ばなに 参加できない理由。 それは暁くんにありますっ。 当の暁くんはチャーハンを 掻き込みながらキョトン。 「へー、雅チャン、 恋愛キョーミないの、 女子高生のくせに 枯れてるねー。」 「ちっがーーーう!!! 暁くんのせいだもん!!」 何、俺関係ないです みたいな顔してるのっ! わたしはドンッと 暁くんの方に身を 乗り出した。 わたしが恋ばなに 参加できない理由。 それは――――・・・・ 「サッカー部のエースの マエダ君はエロ動画の ワンクリック詐欺に 引っ掛かったし、 野球部のアンドウ君は レイプAVがオカズだし、 真面目なイイジマ君は 女王様募集中だし、 クラスの爽やか代表ヤノ君は 制服の上から胸のサイズ 当てるのが実は得意だし、 もーーーーっっ!!! 暁くんがわたしに変なこと 吹き込むせいで、 みんながカッコいいって 言っててもぜんっぜん カッコいいって思えないっ!」 いくらみんなが カッコいいとか素敵とか キテるとか言っても、 わたし、暁くんから まったくかっこよくない 情報吹き込まれてて、 純粋な気持ちで恋ばなに 参加できません!!! 今日の恋ばなだって、 「でもマエダくん エロ動画見てるよ普通に 女の子興味津々だよ!!!」 とか、 「アンドウくんは やめといた方がいいよ、 だってレイプ動画だよ?」 とか、 「イイジマくん真面目じゃ ないよ、鞭でピシパシ されたい系だよ」 とか、 脳内は突っ込みの 荒らし!! かっこいいよね、なんて 同調できませんっ!! こんなことだから恋ばなに 参加できないし、 ちょっとエッチな会話も それ以上の男子の変態な 面を知ってるから、 参加しづらいし、 もーーーーーっ!!!!
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