サクラサク

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サクラサク

すっかり寒くなってきて、ずっと布団にくるまっていたい今日この頃。 相変わらず世の中は、なかなか出口の見えないトンネルのよう。 しかも日本だけじゃなく、世界中がそんな状態なのだから、改めて凄い時代に生きてるもんだなあ…と思う。 これまで当たり前にあったものや、出来たことが、沢山失われたり変わってしまったりした一年。 毎日のように行くスーパーでも、入り口でみんな消毒するようになって、レジもセルフ決済が導入されたり。 でも、カートを押しながらふと棚を見てみたら、変わらずにちゃんとある『季節の品』コーナー。 今は色んな種類の鍋スープがズラリ。 全種類買ったら、毎日違うスープの鍋がひと月は食べられそうだなーなんて思いつつ、私が決まってチェックするのは、季節限定のお菓子たち。 少し前までは栗やさつまいも味のパッケージで黄色かった棚が、ここ最近は苺味のピンク色に染まっている。 苺も好きなんだけれど、私はピンク色がとても好きだ。 ピンク色って、見ているだけで心がふわっとあたたかくなる。 黄色やオレンジなんかのパッションカラーも、気持ちが明るくなるから好きなのだけれど、ピンク色はもう少し柔らかくて優しい感じがする。 あと、呼び方。 ピンク色よりも、『桜色』とか『桃色』という言い方が、私個人はとても好き。 日本語特有のやわらかい響きも良いし、風情もある。 コンビニのスイーツも、最近は苺系が目立ち始めた。 今はまだ寒くて縮こまってしまう季節だけれど、あと数ヶ月後には、そこかしこで桜の花が咲いて、景色もピンク色になる。 秋が過ぎて、冬になって、春を待ち侘びる。 こんな世の中でも、変わらないものは確かにあって、そういうものに触れるたびに、日常のありがたみを痛感する。 今は苺味のお菓子を部屋で摘みつつ、甘い桜色を堪能しようと思う。
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