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それからの世界は、今までの世界とは全然違いました。
子供達は今までどおりに笑って未来に夢を見ていますが、大人たちは子供達に笑って未来の夢を尋ねる事ができています。
遊園地も屋内型施設みたいな窮屈な所じゃなくなったし、青空の下で開放感があります。食べ物も、ハウス生産じゃなくなって、生の食べ物に土や虫とかついてたりするのを洗ったり取ったりしてますし、多量に含まれていた着色料や添加物も少なくなりました。
各家庭の窓や玄関に必ずあった、大きな空気清浄フィルターも必要なくなりました。
皆が皆、平和に楽しく笑って暮らしています。
そんな世界の澄み渡った青空に向かって手を伸ばす。
その腕にはめられた髪留めのビーズが光を受けてキラリと輝いた。
こんなんじゃ僕は全然おもしろくないので言ってやりました。
「僕はあきらめてません。必ずもう一回世界を滅亡させるんですから」
大丈夫、こんなに完璧ならきっと、もっと以前の世界より滅亡させがいがある。僕は間違っていなかった。これは間違いじゃない。失敗は成功の元。
そのためにはまず。
「とりあえず、完璧な世界にするために、汚染魔法がちょっと届かなかった地球の裏側辺りをなんとかしなくちゃ」
しばらく救世主のフリをしてみるのも、やぶさかではないと結論づけました。
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