私の産まれた意味

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「王子!!!!!!!」 「なんてこと!!!!!」 「衛兵!!!!!そいつを捕まえろ!!!!!!」 「ああ....どうして....」 3日前、 王子は共に通っている貴族学校の廊下で、 何者かによって襲撃された。 王子を殺そうとした若者は、 有無を言わさずに処刑処分となりそうだ。 王子の状態は、まだ心臓が動いているとはいえ、 刃物で貫かれた腹は出血が酷く、 意識も朦朧としていた。 そして、現在。 未だ昏睡状態で、傷も化膿している。 幾人もの医者や呪術師、祈祷師などが集められたが、 王子が目を開けることはなかった。 誰もが、「もう、ダメかもしれない。」 そんな空気を醸し出していた。 しかし、それが一変した。 今日来た13人目の医者が 臓器を取り替えれば良くなると言ったのだった。 どの臓器かも明白にせず、 どうしてなのか理由も明らかにしなかったが、 皆、一律してそれを信じた。 それを耳にした人々は、 目の色を変えて、私を見た。 期待と、多少の疑心.... 早く王子を助けなければという正義感、 早くスペアは死ねという圧迫感。 色んな感情が混じった目で、私を見た。 その目は、私の焦燥感と罪悪感を掻き立てた。
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