0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいか、ロベルト!!!
これはお前の使命だ!!!
お前の産まれた意味なんだ!!!!
王子のために死ね
そうすればこの国は安泰なんだ!!!
お前にしか出来ないことなんだ!!!」
父上は私の肩に痛いくらいまで
その冷えた指をくい込ませながら、
こう雄弁に語った。
「できることなら...私が代わりになりたかった...
ごめんなさい...ロベルト...
我が子を国のためにと言って殺す親を、
どうか...許して.....」
母上はさめざめと泣きながら、
冷たい床に温かい涙を落としながら、
許しを請った。
どの言葉にもろくな言葉を口にできずに、
私は早々にその場を去ることしかできなかった。
自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いても、
聞こえる圧力と刺さる目線が
胸の辺りに刺さって刺さって、
痛くて痛くて仕方がない。
『私は産まれてくるべきだったのだろうか』
今まで感じていた生きがいすら、
疑うようになってしまった。
思い扉を開けて、
薄暗い部屋に入る。
明かり気なんてつける気にならず、
扉を閉め、それに寄りかかった。
背中から伝わる無機物の冷たさが
私がまだ生きていることを嫌でも分からせる。
「......しぬ...べき....なんだろうな....」
王子のために死ぬ。
これ以上名誉なことはないし、
元々、私はそのために産まれてきた。
最初のコメントを投稿しよう!