私の産まれた意味

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ーーーーーー 「お前なんか王子の隣にふさわしくないんだ!!!」 「そうだ!! ただの農民の息子が!!!!」 「もっと身分が高い者がいるべきなんだ!!!」 建物の影で辺りが薄暗い。 そこで口々に誰かを罵る貴族階級の子供。 そして、それを聞いて泣く小さな私。 ーこれは...私の過去...?? 「グスッ... わたし...だって..!!」 「『わたしだって』? なんだよ、言ってみろ!!」 「私だって!!!!!王子の役にくらいたてます!!!!」 「何を....この下民が!!!」 子供のひとりが私に向かって手を振り上げた。 小さな私は思わずキュッと目をつぶった。 「何をしている」 声がした。 ずっと隣で聞いてきた声。 しかしまだ未熟な声。 ー!!王子!!! そこに立っていたのはまだ小さな王子だった。 小さい体にも威厳がある。 「っ!!!!! お...王子...!!!!」 子供達はどんどん青ざめていく。 そんな子供達を王子は睨みつけた。 「私のロベルトに何をした。」 王子の瞳は冷め切っていた。 声から王子が怒っているのがひしひしと伝わる。 「ひっ..... な...何も...しておりません...!!!」 「そうか...しかしロベルトに手を出したら、 私が許さん 最悪、その地位を剥奪するぞ ゆめゆめ、忘れるな」 「承知致しました 肝に銘じておきます.... 申し訳ございませんでした、王子...」 直角以上に腰を折り、 彼らは深深と頭を下げた。 「ふん、行くぞ ロベルト」 「え...は...はい...」 そう言って、王子は私の腕を掴み、 その場を一緒に離れた。
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