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それから約三年後。
普通だったら華の高校デビュー。
だけど私は引き籠った。
まるで、あの彫刻刀のように···
毎日恨んだ。私を世間の蚊帳の外に追いやった連中を。
毎日祈った。私が私らしく、堂々と過ごせる日々の到来を。
そんな絶望の続く日の中で、とある夢をみた。白い空間の中に、私と少年の二人。
少年が口を開く。
「私は神だ。最近のお前を見ていると、憐れになってくる。本当に、見ていて辛いのだ。そこで、一つだけお前の願いを聞き入れてやろうか。」
「お前の願いは?」
躊躇など、無い。
「私を普通にして!!」
常日頃恨んでいたのは、何も他人ばかりではない。変な趣味を持って生まれた私にも、憎しみが募っていた。
いつぞやの言葉を反復する。
普通に、普通に、普通に。
「お願い!!私に、普通の生活を頂戴!!」
「···分かった。」
そこで意識が途切れた。
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