呪いの本

10/27
前へ
/27ページ
次へ
あえて無視して本の内容を確認した。 どうやら挿絵つきのホラー小説のようだ。 女性の目線でストーリーが始まっている。 ストーリーの内容はこうだ。 ――ある村に住む女性が朝早くから外に出たところ…… 『駄目ニャ! 読むニャ! 読んだらいけニャ!』 横から奴が俺の腕を掴んで必死に訴えてくる。 呪いの本よりコイツが恐ろしい。 何がしたいのかよく解らない奴が恐ろしい。 理解に苦しむ時ほど恐ろしい事はない。 奴は一通り引き留めた後、また俺が読み始めるのを大人しく待ち始めた。 再度読み始めようとする前に、横から話し掛けるなと奴に注意をし、分かったニャ、と奴が陽気に返事をしたところで本に目を落とす。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加