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車の中には数人の人影が見えた。
その者達は果たしてあの不気味なモノに気がつくだろうか。
もしや自分にしか見えないモノなのでは……。
女性は車に乗っている者達の反応を確かめるべく、十字路まで走った。
十字路まで出ると、南の方向にはあの不気味な黒ずくめのモノの背中が確認できた。
そして、その脇をゆっくりと走る乗用車。
彼らにもあの不気味なモノが見えているのだ。
それは明らかに異質だ。
長い髪のせいで肌は見えず、着ているものも黒いため、黒い塊が動いているように見える。
しかもニメートルはある身長に、電信柱のような細さだ。
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