呪いの本

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今まで無視し続けていた黒い不気味なモノはピタリと止まり、 首をゆっくりと警察官の方に動かし―― ガバッと大きな口を開き警察官を丸呑みした、 なんて事はせず、 依然前へと進み続けた。 対応に困った警察官は、応援を呼ぼうと思ったのか、こちらを向くと歩き出す。 背を向けた時だった。 それを狙っていたのか、 勢いよく振り向き身体から細長い腕を伸ばすと真っ黒な手に握った鎌の先端を警察官の背中目掛け―― なんて事はせず、 依然前へと進む。 なんというか……。 何も起こらなくて拍子抜けだった。
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