呪いの本

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ひたすら奴が、 『呪われるニャ……』 と言って視線を送っているのは俺の方向では無く。 背後だ。 正確に言えば、身体は机と向き合っているが、顔は奴の方を向いているから……。 左側。 躊躇う事なく左を見る。 すると何とそこには…… 何もいなかった。 しかしその代わり、床に一冊の本が落ちていた。 おかしい……。 これほどまでに解りやすい位置に落ちているのに今まで気づかないとは……。 不思議に思いながらもその本を手に取る。 『やめとけニャ……何も言わニャイからやめとけニャ……』 奴が怯えているのはどうやらこの本のせいのようだ。
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