1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ミント……」
そんな風に呼ばれれば。
「いいだろ……?」
それは今の気持ちを抑えられない、という遠回しな言い方。
手の平に掬った髪に軽くキスされ。それから額、頬に、柔らかい唇が触れる。
「キス、したい」
金色の瞳が見つめる。
思い詰めたような顔が近づいてきて。だけどミントは顔を俯かせて。
「こんな事、してる場合じゃ……」
ツバキやヴィオンはまだ行方が解らないのだから。
シオンは動きを止めた。
「解ってる……でも……」
続けたい、というように髪を撫で付け、何度も頬にキスする。
柔らかい唇に触れられ、火柱が立つように熱い。
首筋に唇を這わせれば小さく喘いでしまい。
聞き取ったシオンはその気にさせようと、攻める。
「ここ、弱いんだな」
嬉しそうなシオンの顔。
何度も弱い首筋を攻められ、息が上がる。
自分の呼吸の他に、別の乱れた呼吸を聞き取り、それがシオンのものと解ると。
極限まで追い詰められている。それが気持ちを惑わして。
自分を欲している。そう思うと、身体が熱くなって。
「……ん」
シオンから借りた上着の中に、何かが入ってくる。
もぞもぞと動き、胸より下で止まる。
迷っているのか、焦らしているのか。
最初のコメントを投稿しよう!