恋闇ノ魔女番外編

4/8
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
 こ、告白された!  初めて会ったばかりなのに……。  でもちょっと嬉しくて、ニヤニヤしちゃった。  だって、好意的な言葉を貰ったのなんて初めてだし、しかも男の人からだし。  シオンがまた、遮るように私の前に立った。  何でいちいちこんな事を……。 「そんな事言ってると、サントライユまで現れるぞこの女」  そっか……私からアレンを守ってるのか。何さ。 「そこまでして俺を追ってきてくれたら、婚約破棄するかも」  ぱちっとまたウインクする。 「アレン……!」  シオンが窘めるように叱る。 「サントライユって、遠いの?」  私の声にシオンが振り向いた。でも私はその隙にアレンの隣に移動する。 「ううん。馬車で言っても三時間は掛かるな」 「さ、三時間……」  結構距離があるみたい。 「ほらこいつ、お前の言う事本気にしはじめた」  ただシオンの住んでた街がどんな街なのか興味持っただけじゃない。 「あ、でも私。婚約してる人は対象外だから。どうぞご安心ください」  シーンと静かになった。  あれ、変な事言ったかな。  あ、もしかして、魔女は婚約者がいても関係ないとか思われてるせいかな。 「魔女は婚約者がいる人は相手にしませんよー」 「えっそうなんだ。じゃあ俺全然対象外?」 「うん全然対象外」  アレンは何だかガッカリしたような顔をする。  はなからあなたに興味は無いって。  私が興味を抱いてるのは――シオン。  シオンの顔を見ると、じーとアレンを見つめたまま、固まってる。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!