運命と奇跡が重ならなかった恋の話

3/14
前へ
/16ページ
次へ
♬.*゚ 好きと好きが重なることが 運命だって言うのなら その運命を一生手放したくなくて 嫌いを遠ざければ 君が遠くなって 僕たちの運命は 奇跡とは呼べなかった                  ♬.*゚ きみの部屋でうたを聴く。 ときには外に出て、大きな川にかかる橋の下のベンチに座って、橋がさかさまに映る水を見ながら、ふたりでのんびり夜を過ごしたり。 きみと過ごす一日一日を、大切に過ごしていた。 毎日ずっと一緒にいれたらいいのに、なんて思いながら私はいつも、ギターを背負う背中を見送っていた。 きみが住む都会の明かりは、わたしには不釣り合いで。 高いビル、夜になるほど消えていくそれに、わたしはどんどん不安になっていってしまったの。 きみはどんどん有名になっていく。 小さなライブハウスで出会ったきみは、気づけばメジャーデビューをして、大きなライブハウスでワンマンライブをしていた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加