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運命と奇跡が重ならなかった恋の話
「…ずっと、好きだった人のはなしをしてもいい?」
そう言えば、彼は少し困った顔をして、それから受け入れるようにやさしくうなずいた。
──目を閉じれば、
きみとの思い出がよみがえってくる。
でもそれは、後悔じゃなくて、思い出だから。
わたしの中にずっとしまってある話。
──きみはいまも、誰かに向かって精いっぱい叫び続けている。
きみが失恋の音楽ばかり歌わなくなった今、
それが、
わたしときみの、終わりなんだね。
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