第四章 思惑を秘めた接近

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 ***  電話を終わらせると玲奈は冷蔵庫から缶チューハイを出して、一気に半分くらい飲んだ。  友人の妊娠は心から祝福している。でも、玲奈の瞳からは涙が(こぼ)れていた。  羨ましくてどうしようもなかった。  空腹にアルコールを入れたから胃が焼けるようだけど、身体の痛みがあれば、心の(つら)さは少し(まぎ)れる。  「いいな……」  誰もいない部屋に、玲奈の声が羨望の響きを持って流れた。  その夜、玲奈は缶チューハイを飲んだ後、何も食べないで眠りの国へと逃げた。  そうしないと、二度と傷つきたくないからと、封印した願いを(おさ)えきれなくなってしまう。  明日になればきっと気持ちは落ちつく。そう思いながら玲奈はベッドの中で身体を丸めて、辛い過去から自分を守っていた。
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