595人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
怒った従姉に大翔は、お盆の時のことを教えたということで、さらに集まりの場は荒れたらしい。
自分の希望を叶えてくれない相手の失態を隠す人はいないだろう。従姉は勘のいい人で、お盆に何かあったと察していたらしい。
炎に燃料を投下した大翔は、新年早々に帰ったということで、その後のことは知らないと言っていたけど、穏やかに過ぎたとはとても思えない。
「そうだよね。少しは気持ち動いたのかな。
今も白井副部長とすごく仲いいみたいだからね」
大翔は、同期会や五人の時、和香との交際のことを訊けば話してくれる。いちゃいちゃという感じではないけど、相当仲はいいようだ。
付き合いは二年を過ぎているから、今でも交際始めのように仲がいいのはすごいと思う。
和香は意外にプライベートでは可愛いということだ。会社での姿からは想像できないけど、彼女はツンデレタイプなのだろう。
素直に甘える女性と同じで、男性が好むタイプでもある。大翔も同じようだ。
「ああ。さすがに部長もアラサーだからな。そろそろ本気で考えてるんじゃないか、結婚。俺たちだって、親に会うくらいだからさ」
交際が大翔たちよりも短い二人でも、将来を朧に考える。恋人が三十歳を超えた大翔なら、もっと真剣に考えているだろうな、と思った。
最初のコメントを投稿しよう!