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細い背中が窓の外の夕日に照らされていた。
口を開こうとした瞬間、彼女が先に声を出した。
「…ねぇ、先生。
あたしは別に付き合いたいから告白したわけじゃないの。
変な話しだけど、あたしの存在を知って欲しくての事だったの。
…あたしが好きって言ったから本田君が答え出してやらなきゃって思ったのかな。
ただね、側にいたり挨拶してくれるだけで結構幸せなんだよね…。」
思いもよらない告白に、ただ立ち尽くす。
「でももうあんなふうに笑われたり触れられたら、あたし他の子に渡したくなくなるよ…」
「バカか、お前は。」
ビクッと肩を揺らして、勢い良く振り返った。
「えっ?!なんで?
まなちゃんは!?」
「そこで会った。
お前がいるって言われたから来た。」
「……………っ」
かぁっと赤くなる顔に笑う。
「何が他の子に渡したくなくなる、だ。
俺言ったよな?
お前のものになっていいって。
俺はお前とこれからどうしてくか考えてるのに、そんな事考えてるのかお前。」
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