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冬のさむいさむい、はい色空の日。
つめたいものがあたった。
雨さんみたいだけど、雨さんじゃない。
まっしろなふわりとしたものがおちてきたの。
ふわりふわりぽとん、ふわりふわりぽとん。
やさしくおちてきては、口をひらいたぼくの中におちる。
中につもっていた、はっぱのうえにおちて。
ゆっくりゆっくりとぼくのからだがおもたくなってきた。
なんだかおなかいっぱいでくるしい。
ぼくのぎん色のほねがギシギシといやな音をたてている。
ほねのおれたカサたちがすてられているのを見たことがあるの。
ああ、ぼくもああなってしまうのだなあ。
もういちどだけ、ショウくんにあいたかったよ。
ショウくんのかっこいいくろ色のカサでいたかったよ。
ふと思いだしたのは、はっぱさんたちにおしえてもらったこと。
いつかこまったときのじゅもんをぼくはずっとわすれていた。
えーっと、えっと、ね、そうだ。
かみさま、ねがいごと、いっこだけ。
ショウくんにあわせて。
かみさま、ねがいごと、いっこだけ。
ショウくんにあわせて。
かみさま、ねがいごと、いっこだけ。
ショウくんにあわせて。
はっぱたちは、いっこだけだよって。
よくばったらダメよ、かみさまにきらわれちゃうからって。
かみさまってなんだかよくわからないけれど。
こまってるひとのおねがいごとをきいてくれるんだって。
もっとはやく思いだしてショウくんに会いたいっておねがいしたらよかったのかなあ。
ふわりふわりぽとん、ふわりふわりぽとん。
ふわりふわりぽとん、ふわりふわりぽとん。
いつまでおちてくるんだろう。
ぼくは、だんだんねむくなっちゃったの。
ゆめなら、ショウくんに会えるかなあ。
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