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ぼくは、待ってる。
ショウくんがむかえにきてくれるのをずっと待ってる。
ひとつきも雨さんはふらないものだから。
公園のフェンスにかけられたぼくは、すっかりとひからびてしまった。
秋のにおいも、うすくなって。
さいしょはきいろかったはっぱは、あかくなって。
かぜにゆられてカサカサしておちるころになっても。
ぼくはずっとここにいるよ。
ポッカリと空にむかってあいた口にはっぱがまいこんできたりすると。
むずがゆくて、さびしい気持ちになるの。
今日も雨さんはふらない。
あおくてたかい空を見あげたら、しろい雲がショウくんに見えた。
ショウくん、元気でいるかな?
ぼくのことわすれてしまったのかな?
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