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教室の扉を閉め、肩を落として廊下をトボトボと歩く。
……すると。
「おや? 今日は『ダメ』だったようじゃな」
僕の前方でニヤニヤ笑いながら壁に寄りかかっている男がいた。
「だ……誰? ああ! さっきの『宮本武蔵』じゃないか!」
それは、さっき僕に問答無用で斬りかかってきたヤツだ。
「何で突然僕に斬りかかって来たんだよ!」
僕が文句を言うと。
「何を言っておる。お主が神に願ったのではないのか? 『遅刻のネタをくれ』と。だからこうして現れてやったのだ。大サービスだぞ?」
「え……それで、どうしてアナタがここに?」
意味が分からず尋ねると、『宮本武蔵』が僕に近寄ってきて「何だ、知らんのか」と言いながら耳元で囁いた。
「宮本武蔵は、『遅刻の神』じゃ」
完
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