神頼みなんて、いたしません!?

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 決めた。決めたぞ。  たった一つだけ俺が叶える願い事……それは。 (俺のこの力が、全部なかったことになりますように)  願い事なんて聞こえなくても、俺は俺自身の努力で、美琴ちゃんを手にいれてみせる!  神の力に頼らなくたって、自分の初恋は自分の手で実らせるんだ!  突然、目の前が白い光に包まれた。  わ、まじか。俺、本当に神様だったんだなぁ……。  呑気にそんなことを思ってみる。  目を開けていられないほどの眩しさに、思わず顔が歪んでしまう。  するとモヤがかかった視界の奥に、美琴ちゃんの姿だけがくっきりと浮かんで見えた。   「ばかだなぁ、大和くん。せっかくこっちからアプローチしてやったのにさ」 「え……なんて……?」 「カッコイイこと色々考えてるみたいだけど、自分がなかなかのヘタレだってこと、忘れてない?」  へ……?  あれ、そうか、もしかして。  今の俺はまるで物語のヒーローみたいな気分でこんな一大決心をしてるけど、よく考えたらこの記憶すらもなかったことになっちゃうわけで……?  あ、  やば、  これは…………俺、マズったかもしれな―――― ―――――――――― ――――――    
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