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「おーい、大和くん! 起きて! しっかりして!」
「ぅんぁ……」
両肩を揺すられて、急に意識を引き戻された。
「あれ、ここどk「大和くんちの神社! も~いつまで寝てんのよ」
被せるように言われたその声で、一気に覚醒する。
目の前には、呆れ顔の美琴ちゃん。
おかしいな、彼女こんなキャラだったっけ――って、みみみ、美琴ちゃん!?!?
ななっ、何で俺の片想いの相手が、こんなところに居るんだ!?
状況が理解できない俺は、何度も瞬きを繰り返す。
それに、参道の真ん中で寝っ転がってたって……俺、一体……?
「その様子じゃ、やっぱり全部忘れちゃったんだ」
「え……何のこと?」
「あのまま続きを言ってくれてたら、チューくらいしてあげないこともなかったのに」
「ちゅ、ちゅう!?」
とんでもない爆弾発言を投下した美琴ちゃんは、にんまりと笑って舌を覗かせた。
「うっそ~」
「え、は、はぁ!?」
教室では見たことのない悪戯な表情に、なぜだか心臓がギュンとなる。
全くもって訳がわからないけど…………俺、いつの間にか美琴ちゃんと、ちょっと仲良くなれた……のか?
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