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ラッキーなことに電車の中は、すいていた。
座席に並んで座る。
「マキ?どうしたの?」
さっきから、機嫌があまりよくない気がする。
僕が知らぬ間に何かしてしまったのだろうか?
「いえ、別に……」
むくれた顔をする、マキ。
そこで僕はようやく理解した。
「ちゃんと断ったからね。恋人いますって」
マキは頬をすこーしだけ赤らめた。
普通なら気付かないだろうけど、僕にはわかる。
「や、別に、気にしてませんよ」
早口で言うマキ。
この顔は相当気にしてたな。
「そ?まぁ、いいけど。残念ながら僕は一途なんだよね~」
顔を真っ赤にするマキは可愛い。
それが見たくて、わざと意地悪に言ってみるが、マキは嬉しそうに微笑んだだけだった。
は?え?何それ、可愛い。反則じゃね?
「先輩、今日この後暇ですか」
すぐに元の無表情に戻ってしまう。
あの笑顔は僕の脳内カメラに永久保存だ。
「暇だけど」
「じゃあ、うち来ませんか」
まさかのドストレートに来たぁあぁぁぁ!!
僕は即賛成するのだった。
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