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◇
高2のクラスが始まったあの日。ボクはボクの人生の中にキミを見つけてしまった。少なくともボクには運命の出会いだった。だけどボクは、キミとの接点が見つけられなかった。
体育祭でのダンスパートナー。上級生が背の順でそれを決めていくと、キミはボクのひとり後ろのやつと組む流れになった。
あと少しだけ、ボクの身長が高かったら、ボクはキミとパートナーになれるのに。
ーーああ、なにかの間違いで構いません。神様、ボクを一つ後ろにしてください。
その時、奇跡は起きたんだ。
遅れてきた他の男子生徒が、ボクより前に並んでひとりずつずれて、ボクはキミとパートナーを組むことになった。けれども偶然巡ってきた千載一遇のチャンスも、ボクはモノにすることなく体育祭は終わった。
そして時は無情にも流れていった。
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