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「剛田、ミニバンの男と女もあのクスリで死んだみたいだ。」
司法解剖の結果をまとめた資料を剛田の上司が渡す。
「クラブのトイレで死んでいたヤツらと同じクスリでしたか。」
「ああ、そうだ。LSDの一種みたいだが詳しくは分かっていない新種のようだ。」
「これからもこれで死ぬヤツらが出てきそうですねぇ…」
「クラブの一件もミニバンの一件もお前が関わっている…仕事を増やして悪いがこのクスリの件はお前に任せたいと思っている。」
剛田はニヤリと笑った。
「ありがとうございます。また結果を出しますよ。」
「もう半殺しは勘弁だぞ…?」
上司は剛田の態度に呆れながらも絶対的な信頼を寄せていた。
剛田は事件解決の為ならば暴力もいとわない男。彼を恐れる犯罪者も多かったが彼を憎む犯罪者もまた多かった。
かつて妻と娘が居たが彼に恨みを持つ者によって娘が誘拐されてしまうという事件があり、必死の捜査も実り娘は無傷のまま帰ってくるが、妻は家族のために警察を辞めるように迫った。
しかし、彼は家族よりも仕事を選んだ。そんな剛田を上司は心配しつつ警察の鑑であると評価していた。
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