仕返し

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陽一さんは突然、私が座る椅子の肘掛けに手を乗せた。 ギシィと鈍い音を立てて椅子が僅かに前に傾き、近くなった顔に胸がキュッとなった。 「みなみ、好きだ。俺と付き合って」 それはずっと聞きたかった言葉だ。 それをこんな距離で、こんな真剣な表情で言われたら、顔が火照って火照ってしょうがない。 ニヤッと片方の口角が上がっているあたり、陽一さんも気付いているのだろう。 なんだか圧倒的にいつも負かされてるような気がして、ちょっと反発心が芽生えてしまう。 「 本当に私のこと好きなんですか」 「好き」 うわぁ、最高。 クラァッとしそうになって慌てて気を保つ。 「でもなんか疑っちゃうんですよ。ほら、いろいろありましたから」 「みなみ...?」 「なので、私のこと本気ってとこ、私にわかるように見せてくださいよ」 「...ちょっとそれって...」 「明日から全力で」        
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