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「まあ、みなみ。話し戻すけどさ、今日は朝食も作らなくていいから二度寝しなって」
「しません。時間が勿体ないです」
「たまにはいいだろー」
「起こしに来たって言ってたのに二度寝を勧めるのはどういうことなんですか」
「みなみと二度寝したいってこと」
不覚にもトキめいてしまった。
「ほーら、寝ちゃいなさい」
トントン、と園児を寝かしつける保母さんみたいに布団の上を軽く叩き始めてくる。
胸の鼓動と布団越しに伝わる陽一さんの手の動きを敏感に感じてしまえば、到底二度寝などできるわけがないと思ってたのに。
突然始まった雑学講座を聞いているうちにうとうとし始めてしまった。
「それでな、18世紀頃イギリスを中心に産業革命が始めると、労働者達は決まった時間に出社することになったんだよ。でも当時はまだ目覚まし時計なんてものはなく、しかも遅刻すると罰金や減給もあったそうで。人々は困ってたわけだ。そこで登場したのがノッカーアップ。まあ、目覚まし屋みたいなもんだな。このノッカーアップが依頼人の部屋の窓を起きるまでノックしてくれたんだって。しかもその時使われていた道具ってのがかくかくしかじか」
いつの間にか眠っていた。
そして目覚めたら、眠る陽一さんに布団ごとかき込まれるという状態になっていて、慌てて台所まで降りたのだった。
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