ボソボソボソ

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ボソボソボソ

『今日は早めに帰るし俺が夕飯作るよ』 昼間に居間の掃除をしてたら陽一さんから電話があった。 「陽一さんが?珍しいですね。どうしたんですか?」 『俺の愛を信じてもらうために愛情を込めたのを作ろうと思ってな』 得意気に話すけど、私は不安だ。 「でも料理できないんですよね?」 料理できない志穂を思い出す。麻婆豆腐のつもりで作ったカレー色の何か的なもの出されたら、悪いけど食べたくない。 『できないけどやればできる気がする』 その自信はどこから湧いて出るんだろう。やっぱり不安は残る。 「差し支えなければ、手伝ってもいいですか?」 『そんなに俺と一緒にいたいんだな』 「人間が食べれるものを口にしたいだけです」 『どういうことだよ...』 何はともあれ一緒にクッキングすることが決まった。 内心、ちょっと嬉しかったりするのは秘密だ。
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