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もう背中の下の方に謎の痙攣まで起こり始めているから、申し訳ないけど突き飛ばすことにした。
「ちらし寿司ですよ!料理する気あるんですか!」
「みなみ、なんで顔赤いの?」
「熱いんです」
「なんで」
「もうすぐ夏だからです」
「まだ5月だよ」
「うるさいです」
けらけらと笑う陽一さんの口の中にネギを突っ込んでも許される気がする。
いつも独り言も言わず無言で料理する私なのに、今日は陽一さんのせいで手よりも口の方が動いていた。
愛情を込めたのを作ると言っていた陽一さんは、買ってきたいくらを酢飯の中央にハート型のてんこ盛りにして乗せていて、発想一緒じゃん...と内心ツッコみを入れていた。
一緒につくったちらし寿司は美味しかった。
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