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「できないよな」
「...へ」
「付き合ってもないのにキスできないよな」
「...へ」
いや、お前こないだしたやん。
思わず関西風なツッコミを脳内に響かせた。
「みなみの気持ち、もしかして俺にもうなかったりして」
「そういうことじゃ」
陽一さんはわざとらしく肩を落とした。
「俺も結構頑張ったけど、ぜんぜんみなみに認めてもらえないってことは、もうこの恋は諦めろってことなのか」
「陽一さん...」
「もうどうすればいいかわかんねーよ。玉の一つでも見せればいいのかよ!できねーよ!」
「私の真似してますよねそれ...」
「もう俺やめるっ!」
急に立ち上がってバタバタ床を鳴らして走り去る陽一さんに、全然面白くないコント劇でも見させられたような、急にいろいろバカらしくなってきたような。
しょうがないので立ち上がり、陽一さんが向かった彼の自室へ行くことにした。
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