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「陽一さん、やりすぎっすよ...」
「みなみがかわいそうです」
「だいたい惚れさせてみろってなんすか。本の読みすぎですよ」
「いい歳して何やってんですか」
充と志穂ちゃんに咎められるが反論する言葉もない。
あれ以来みなみと話せていない俺は、もうどうしていいかわからず二人に相談しようと新居を訪れていた。
最新のエスプレッソマシーンで淹れられたコーヒーと、志穂ちゃんが「クッキー焼いたんですよ」と言いながら出してきた泥色の物体。
それがテーブルに並び、真正面に座る二人に、懺悔する気持ちで俺は自分の罪を告白した。
志穂ちゃんは大事な親友を傷つけたと激怒し、充は呆れたという眼差し。
「わかってるよ、俺もくそ過ぎたって猛省してんだよ...」
「猛省もいいですけど早いこと謝るべきっすよ」
「そうですよ。土下座で謝ってください」
「土下座だってなんだってするよ。けどみなみの姿あれ以来見てないんだよ」
「どういうことですか?」
声を重ねた二人に、この五日間の話をした。
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