貪欲

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朝一番に謝るつもりでいた俺は早起きし居間に降りたのだが、みなみの姿はどこにもなかった。 ただ、座卓にはラップをかけた朝食と『トーストとコーヒーは自分でお願いします』と書かれた置き手紙。 それを一人虚しく食べてから出勤した。 帰ったら謝ろうと思っていたのに、帰宅してもみなみはいなくて、置き手紙だけがあった。 『夕食と明日の朝食は冷蔵庫にあります』 確認すると冷蔵庫には複数のタッパーがあった。 そしてそれを一人虚しく食べる。 そんな日々が五日も続いている。 「それって、あの家で寝てないってことですよね」 「ああ...」 悪いと思いつつ夜中にみなみの部屋のドアを開けたこともあるが、やはりみなみはいなかった。 「志穂ちゃんを頼ってんのかと思ったけど、そうでもないみたいだし。実家に帰ったのかな」 「みなみの実家は密度が高いから行けないって前に言ってたから、そこも違うと思いますけど」 「電話は?」 「何回もかけてるけど出てくれないんだよ」 「自業自得ですよ」 今日の志穂ちゃん厳しいな...。まあ、それもそうか。大事な親友を泣かせたんだから。
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