鬼ごっこ

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ーーーーーーー 翌日もパートに出勤する前に陽一さんの家にひっそりと戻ってきた。 まずは何よりもシャワーだ。 昨晩は五日の満喫生活で少々仲良くなった上田さんとダーツ対決をしたせいで汗をたくさんかいた。 プライバシーの問題だからと本名を明かさない私を何故か『ガブリエル』と呼んだ上田さんは、海外ドラマの日本語吹き替えみたいな話し方をする人で、しかもダーツがめちゃくちゃうまい。 散々な負け方をしたのに、矢を投げる快感が楽しくてつい明け方近くまで遊んでしまっていた。 時間に余裕はあまりないので急いでシャワーを済ませドライヤーで髪を乾かす。 そして夕飯と明日の朝食の準備をしようと台所に行って、あまりにもビックリして飛び上がってしまった。 陽一さんがいる!なんで!? 「みなみ」 決まりが悪そうな表情で近づいてくる陽一さんに、早速体が震え始め、思わず駆け出した。 「みなみっ!」 陽一さんが追いかけてくる。
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