鬼ごっこ

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玄関まで走るつもりが、鞄を置き忘れていることに気付き振り返るも、ここでUターンしたら陽一さんに捕まってしまう。 しょうがないので居間に入る。すると陽一さんも続く。 「みなみ待てって!話を聞いてくれっ」 「なんで会社に行ってないんですかっ」 「有給とったんだよ」 「なんでっ!?」 「みなみに話があるからだよっ」 「私はありませんっ」 「あるだろっ」 言い合いながら私達は居間をぐるぐると走る走る。 本気の鬼ごっこ。 絶対捕まりたくない。 「みなみ、落ち着けって」 「落ち着いてます」 「どこがっ」 縁側から庭に降りてぐるぐるまわり、また居間をぐるぐるまわり、台所をぐるぐるまわり、また居間をぐるぐるまわり、...脇腹痛いっ! こうなったら。 「あ、宇宙人っ!」 「えっ!?」 隙有り! 私が指差した庭の方へ顔を向けている間に、台所にある鞄を取って逃げ切ろう! と思って鞄めがけて走ったら、ものすごい勢いで腕を捕まれ、よろけそうになったところを米俵のように肩に担がれ、今何がどうなってと困惑してるうちに、居間の座高椅子に座らされていた。
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