二度寝

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二度寝

「よかった息してるわ...」 ダーツの達人上田さんと鬼ごっこをしてたら、そんな声が聞こえたような気がした。 『こーらガブリエル。本気で逃げないと僕に捕まってしまうぞ』 『ダーツの矢を投げつけるのは反則ですよ』 お世話になっている漫喫内を全力で走っていれば「みなみ」と、低い声がまた聞こえた。 急に視界がブレて、何がなんだかよくわからないまま目を開けたら、見えたのは天井。 私の部屋の天井だ。 しばらく瞬きを繰り返していればゆっくりと意識が明瞭になってきて、なんださっきの上田さんは夢か、と気付く。 そして横を見たら。 「...なんでいるんですか?」 「反応楽しみにしてたのに全然驚かないじゃん」 苦笑する陽一さんがいた。 「驚いてますけど。あの、何してるんですか...?」 肘をついた片手で頭を支えながら、私の真横で横になってるのはどういうことだろう...?
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